2010年9月の記事一覧

曾祖母のかき氷機

写真-thumb-335x446-1207.jpg曾祖母がまだ元気な頃、菓子屋をしていた。店は町の三叉路に面してい て、おかきの量り売りのガラスケースと進物の箱が積み重ねられた棚があって、その奥にデコラのテーブルとパイプ椅子の小さな空閑があって、 常連の客に御茶とお菓子を出していた。

曾祖母の家に行くとお菓子は食べ放題で、いつもそこに座ってTVの再放送のアニメなんかを見ていた。

夏場は、どこから持ってくるのかわからないが手動のかき氷機が出現し、毒々しい赤や黄色のシロップのガラス瓶と共に魅力的な光線を発していた。もちろん食べ放題であるからいつも僕の舌は真っ赤に染まるのである。


曾祖母も祖母も、昔祇園の花柳界にいたという。それがどうして此処で菓子屋をやる事になるのかついぞ詳しく聞いた事がなかったが、聞かせてもらったのかもしれないがそれはまだ小さかったので、よくわからなかったのだと思う。でも、曾祖母は独特の花街の言葉を話し、イナセな気っ風の良い京女の見本の陽な人だったと記憶している。


シャカシャカと小気味良い音を立てて削られる氷、その雪山を何度かやさしくおにぎりを握るように固める少し曲がった細い指。「信ちゃん、お母ちゃんにはないしょどっせ」

かき氷機のすぐ横でデコラトップのテーブルに顎を乗せるようにして待つ僕は、氷の塊を雪に変えていく魔法のような機械に羨望の眼差しをおくっていた。

おばあちゃん、エメラルドグリーンの氷削り機には鳥のマークが付いてたよね、「SWAN」だったよね。




(辻村久信)

地球温暖化と天然氷

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ここ数日めっきり涼しくなり、秋の訪れを感じずにはいられません。

暑い夏は終わりを迎えようとしていますが、NITIの天然かき氷は終わりませんよ!!
氷がある限り、お客様に最高のかき氷をお出ししていきたいと思います。


さて、NITIで使わせていただいている天然氷ですが、先のブログにもある通り栃木県の日光から取り寄せています。
手間と時間をかけ作られたこの氷、実は地球温暖化により年々作るのが難しくなってきているという事実もあるのです。
「良い氷」を作る為には、職人さんの技術は勿論の事、自然環境が作り出す「条件」も必要なのです。
その条件とは氷点下10℃以下の日が最低でも10日間続かなければならないということ。
元々寒い場所で作っているんだから10日間位...しかも冬場だし...と思うかもしれません。
確かにそうなのです。
少し前まではこんな事を気にする必要がなかったそうです。

ですが、ここ数年で急激に加速した異常気象により、氷点下10℃以下の日が10日はおろか、一週間も続かないといった状況が頻繁に起こるようになったと聞きました。

人の手ではどうにも出来ない事。
自然の寒さが作り出す天然の氷だからこそです。
この事態は作り手の職人さんにとっても、それを提供する私達にとっても大事な事なのではないでしょうか。


天然氷を後生に残していく為、その素晴しさを消さない為、無くさない為に何が出来るか。
地球温暖化という大きな問題を個々に置き換えて、考え、行動していこうと思うのであります。



少し重い話題になってしまいましたが、これからもそんな「天然氷のかき氷」を宜しくお願いいたします。



(cafe staff 星)


食べログに思うこと

みなさんもご存知かと思いますが、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの飲食店検索サイトである「食べログ」というものがあります。
われわれNITIも登録しているのですが、これは今更ながら秀逸なサイトだなと最近思います。
基本的なデータはお店から提示するのですが、それ以外のほとんどをお客さんの手によって編集されるサイトで、実際にお店を訪れてくれたお客さんの生の声によってそのお店のページがつくられていくわけです。
飾り立てた、お店からの一方的な情報ではなく、そのお店の体験者によるリアルな意見が反映されているので、消費者としては非常にありがたく参考になる反面、お店としては時に厳しい意見をいただくこともあるので新しい口コミが投稿されるたび、見る時は思わず背筋を伸ばしてしまいます。

そうやって日々PCを開き、おそるおそるNITIのページを見ているわけですが、実際はその秀逸なサイトをつくっているのも人だし、意見を述べてくれているのも人。
ネットだブログだと言いつつも、私たちには毎日ひとりひとりのお客さんとのひとつひとつの出会いがあるわけで、結局のところそのひとつづつの出会いをしっかりと素敵なものにしようと日々心がけていくことしか無いのだと、当たり前すぎることをこのサイトは教えてくれます。
しかしそれは当たり前のことですが、人と人が関わり合う上での単純で根本的な、もっとも大切なことだと思います。

そうやってみなさんとの出会いに学び、より素敵な出会いを迎えられるよう頑張っていきたいと思います。


( CAFE staff 橋本 )

かき氷、その後。

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ひさびさの更新です。。。

夏もいよいよ終わろうとしている今日このごろですが、夏も終盤に差しかかってきて最近お客様によく聞かれることがあります。
それは「かき氷はいつまでやってますか?」という質問です。

お答えします。
「氷のある限り、やります!」
ソースは季節の果実を使っているので、もちろん夏が終われば夏の果実は終わります。
しかし秋には秋の、冬には冬の美味しい食材がたくさんあるので、それらを使って季節ごとのかき氷というものを楽しんでもらえたら。。。と考えているわけなのです。
「氷のある限り」というのは、NITIで使っている氷が天然の寒さで作られて氷室で貯蔵された氷なので、今年作られた氷がなくなればまた来年。ということなのです。

先日、「秋も冬もかき氷をやりたいんです」と日光の仕入れ先にお伝えしたところ、要望に応じて四代目徳次郎の天然氷を用意しておいて下さるとのことだったので、みなさんNITIの秋冬のかき氷を楽しみにしていて下さい!

写真は先日購入したかき氷の新しいガラス器。
谷口嘉さんというガラス作家さんのものです。淡いピンクと淡いブルーの2色を購入しましたが、氷の白と鮮やかな果実のソースとの色合いがとても美しいです。


(CAFE staff 橋本)


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